シロクマの屑籠

はてなダイアリーから引っ越してきた、はてな村の精神科医のブログです。

ああムスカ様、永遠なれ

 
 言うまでもなく、ムスカ様は私達のアイドルである。中途半端に高貴な生まれ、ラピュタの末裔、誰にも認められない努力家…。そして最期の一瞬、ムスカ様は炎となって燃え上がる!
 
「黒い石だ!!伝承の通りだ!!読める!!読めるぞ!!」

「言葉をつつしみたまえ!!君はラピュタ王の前にいるのだ!!」

「全世界は再びラピュタの元にひれ伏すことになるだろう!!」

「見ろ人がゴミのようだ!!」

「次は耳だ!!ひざまずけ!!命乞いをしろ!!」
 
 僕達は、いつ来るとも知れない幸福な日々をぼんやり夢みつつ、真面目で退屈な日常に徒労を感じている。そんな僕達に、ムスカ様は最高のカタルシスを提供する。『馬鹿共が!思い知ったか!真実に近いのは、やはり僕のほうだ!誰も理解してくれない僕の努力も最後には報われて、そしてばかどもが俺(←ここからは、僕から俺に一人称変更)に媚びるのだ〜!ファ〜ハハ〜!媚びろ〜!媚びろ〜!俺は天才だ〜!』。途中から何かがズレてしまったような気もするが、まぁいい。ともかく、ムスカ様は日頃真面目に働いていて、「馬鹿共のお遣い」をやらされていて、しかも自分は本当は選ばれた人間だと思いたい男性諸氏にとっては夢のようなアイドルである。僕達は、ムスカ様の一挙一動に胸を振るわせ、自分自身を重ね合わせ、つかの間のカタルシスを得る。ムスカ様万歳!ムスカ様万歳!
 
 しかもムスカ様には他にも色々おいしい魅力が盛りだくさんである。インテリで、紳士で、でも女の子と二人きりの時はアレな感じで、そのうえリアルな感情に溢れているときたもんだ。馬鹿な将軍に馬鹿と言い放つ姿も心地よい。そして最期のシーン!
 
「目がぁ〜目がぁ〜!!」
 
 最期までやってくれました、ムスカ様。ここで僕達は、自傷のカタルシスまでも提供されるというわけです。これで人気が出ない筈がありませんよね、ムスカ様。あなたは間違いなくヒーローです、誰もが認めるヒーローです。いつか結果が出ないかなぁと思いつつ努力していて全然成果が出ない僕達や、ホントは自分は偉くなれるけどひいこら言っている僕達、自己憐憫で気持ちよくなれる僕達にとって、これほど自分自身を重ねて陶酔出来るキャラはそういない。しかも、そんな自己投影出来るキャラクターが、強大なチカラを解き放つのである。こんなにお膳立てが整ったキャラクターは、他には『北斗の拳』アミバ様ぐらいしか私は知らない。宮崎駿が、ここまで計算して偉大なるムスカ様をつくりあげたとはちょっと考えにくいが、ともかくもムスカ様は今も僕達の溜飲をさげてくれる大切なキャラクターには違いない。これからも、僕達の葛藤を緩和してくださいね、愛しのムスカ様。
 
参考:“V‹ó‚̏郉ƒsƒ ƒ^E‰ž‰‡ƒy[ƒW
ここの人気投票をみるにつけても、ムスカ様台詞集をみても、やっぱりムスカ様がアイドルなんだと再確認。