シロクマの屑籠

はてなダイアリーから引っ越してきた、はてな村の精神科医のブログです。

こちらのテキスト群→”Ä—p«‚̍‚‚³‚ªƒRƒ~ƒ ƒjƒP[ƒVƒ‡ƒ“‚É‹‚ß‚ç‚ê‚鎞‘ã(‚PE•¶‰»ƒjƒbƒ`•Ò)(”Ä“KŠ‘®)では、多文化を行き来するには、汎用性の高い、誰でも通じるコミュニケーションスキルが今後要請されやすくなる、と書いた。だけど、それは交際を推進するための必要条件ではあっても*1、交際を推進するための十分条件とはなり得ないところには気をつけたほうがよさそうに思える。
 
 同じ文化ニッチ成員であれ違う文化ニッチ成員であれ、汎用性の高いコミュニケーションの手段(つまり非言語も含めたプリミティブなやりとり)は、コミュニケーションの齟齬を減らし、情緒的な繋がりを共有しやすく出来そうだ。この点では、確かにコミュニケーションスキルは今後ますます必要になるとは思われる。誤解を減らし、相手に嫌な思いをさせない(=マイナスの評価を避ける)為には、コミュニケーションスキルは是非必要だろうし、共通理解や共通基盤の少ないポストモダン的空間でこそモノを言うだろうとは思う。
 
 だけど、ただそれだけの人と喋って果たして楽しいだろうか?親睦を深めて得るものがあるだろうか?もちろんコミュニケーションスキルが不十分であれば、文化ニッチの隔たりにやられちゃってお近づきになる事すら困難かもしれない。だが、いったん関係が構築されてしまった後は、その後の関係を深めるかそれとも浅い関係にするか(さらにはフェードアウトするか!)は、「橋渡しとしてのコミュニケーションスキル」以外の部分のユニークさ・持ち味の特別さなどで決まってくるのではないかと思う。
 
 ただ単に情緒的なやりとりが出来るだけでは、その人は不快な存在ではないという以上のものを与えないので、有害ではないにせよ有益なパートナーとしては認識されない。そんな「いいひと」は、いなくったって別に構わないし、無色透明の人と付き合うよりは少々癖のある人やおもしろみのある人・意見のある人と付き合ったほうが刺激が多くて楽しみ(と対立)も多かろう。対立という局面さえきちんと受け入れられるなら、やはり或る程度の個性なり自分のニッチへの造詣なりがあったほうが、万人には好かれないかもしれないにせよ友達甲斐があるんじゃないかと思う。
 
 よって、リンク先の大テキストで書いた「ポストモダン的状況下ではコミュニケーションスキルの向上が求められやすくなるだろう」というのは、あくまで必要条件としてのことで、真に親しい友達やライバルを新たに作る十分条件を満たすものではない事には注目しなければならない。確かにコミュニケーションスキルがなければ初期段階で親睦を深めにくくなってしまうが、その段階を超えた時に付き合い甲斐を感じるのは「コミュニケーションスキルはあるが他は何も無い人間」ではあり得ない。自分には無いものを持っているとか、自分と同じものをしっかり持っているといった、「特徴」「癖」を感じなければ、そんな人と付き合うだけ無駄と言える。たとい自分の意見に反対しないとて、積極的賛成もしなければ積極的反対もしない人間とコミュニケーションをとって、一体どんな成果があるというのか?何も無いに決まっている。discussionのしようがない。それぐらいなら、時々反対意見を言う人のほうが、よほど実りあるdiscussionが出来るというものである。
 
 相手の意見を否定しないイエスマンなど、空気のような存在で誰からもおもしろがられないしありがたがられない(し疎まれない)。そういう人間が非言語の情報入出力に優れていたとて、入出力するものが無いようでは魅力に繋がらないのは自明。コミュニケーションスキルが折角あったって、相手にプレゼント出来るものがなければ会話が面白くなる筈もないし相互の友誼が深まる筈もない。それぐらいなら、少々交際範囲が狭くなろうとも敵が生まれようとも、自分の意見を明示して友とライバルとをはっきりさせ、友とは宴会を、ライバルとはdiscussionを展開したいものである。空気男になるぐらいなら、世の中の半分に嫌われてもいいから、誰かにとってのユニークな人間でありたいと私は願っている。
 
PS:まぁそんなわけで、ライバルの皆さんやお友達の皆さん、今後とも宜しくお願いします>関係各位。 良い意味で喧嘩したりdiscussionしたりイチャモンつけたり酒を呑んだり出来たらいいなぁと思ってます。自分の納得いかない意見でさえ、無色の発言よりも余程おもしろみがありますから、是非色々やっちゃって下さい(私もちゃんとイチャモンつけますから)。皆さんが無色or真っ黒くろすけだったら、とっくに皆さんに飽きて今頃シカトしてることでしょう。これからも、好き嫌いはともかく皆さんが有色であり続けて下さると信じています。

*1:つまり足切りやスクリーニングの段階でダメだしをされないための条件としては必須でも