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シロクマの屑籠

はてなダイアリーから引っ越してきた、はてな村の精神科医のブログです。

脱オタするったって、その抵抗感をどうすんのよ?

 
 なんかホントに脱オタやファッション手始めに関してのテキストが最近多い。オタク界隈でこういう話が頻出なのも今だけだろうから、出来る範囲で追いかけてみようと思う。
 

http://d.hatena.ne.jp/ululun/20060103/1136217388
Latest topics > 心理的なホームグラウンドとアウェー - outsider reflex
 
 それで発見したこのふたつのテキスト。
 前者は、オタクが*1がファッションを開始する際、気持ちがついてこないなら心理的・身体的準備を整えたうえでやってみてはどうかと提案している。脱オタする場合、一番難しいところは実は(対外的な)コミュニケーションスキルそれぞれではなく、おそらく心的傾向や思いこみをどうするかではないかと私は思っている。むしろ、ファッションなどの対外スキル以外の、“本人の内側の要素”をどうするのかを解決さえすれば、あとはどうとでもなるケースが多いのではないかとさえ疑っている。ululunさんの提案が本当にベストなのかは今はわからないけれど、「でも」「だって」「どうせ」といった気持ちが満ちているなら、何かアプローチしなきゃ話が進まないというのはよく分かる。
 
 後者のテキストにおいても、「心理的なアウェー」にどう挑むのか&挑みきれるのかが脱オタにおいて重大な鍵になることが示されていると思う。美容院や丸井に飛び込む怖さとか心拍数の上昇とか、まさに未知との遭遇。店員にとって喰われるんじゃないかとさえ妄想しかねない恐怖感を、私は今でも記憶している。それでも脱オタ者は心理的な諸々の抵抗に立ち向かわなければならないし、それが可能か否かが結局は分水嶺になるだろう。だとすれば、この「心理的抵抗」を上手に取り扱って匍匐前進する為の方法はもっと追求したほうがよさそうだし、前者テキストはそれに着目した内容なんだと思う*2
 
 こうした心理的抵抗の大きさを考慮すると、いきなり脱オタ初心者に強力なファッションを勧めるのはかなり無茶、というか敷居が高すぎるように思えてならない。そういう人には、ファッションとしての有効性を二の次にした練習ステージが必要だと思えるし、その練習の場としては様々な場所が提案できるような気がする。例えば丸井に行く前に無印良品で服を漁ってみるとか、美容院に行く前に(なんかよさげな)理髪店に行ってみるとか。いきなりハイレベルなファッションに飛び込むのがキツそうな脱オタ初心者は、階段を一歩一歩進むように、内面的/外面的諸問題をゆっくりと改善していくのが適当と私は考える。ついでながら、こうして一歩一歩のプロセスを大切にするなら、変に舞い上がったりすることのない、身の程を知った脱オタ者になれる確率が高くなる…と思いたい。
 
 ※「でも」「だって」「どうせ」は、実はかなり恐ろしい敵だと思う。自分の心を葛藤暴露から守る為の防衛システムが生み出すこの手の言い訳や自己欺瞞は、ちょっとやそっとでは訂正されるものではない。どうにも訂正できない人がいるのは当然として、そのままそっとしておいたほうが幸せな人も実はかなりいるんじゃないかと思う。
 

*1:というか『非モテ』

*2:さらに、この分水嶺を見極める作業は、脱オタをアドバイスする側からみると個々のケースの予後を占う“治療前診断”の段階において重要そうだ