シロクマの屑籠

p_shirokuma(熊代亨)のブログです。原稿に追われてブログ記事はちょっと少なめです

 以下は、ある本からの抜粋である。確か心理学的アセスメント、だったかな(いずれ本紹介かな?)。

大脳半球の優位説との関係において、動作性IQ>言語性IQであれば、言語能力に比べて視空間能力が優れており、動作性IQ<言語性IQであればその逆が考えられる。また視点を変えれば、結晶性知能が言語性IQに、流動性知能が動作性IQに反映されると解釈される。結晶性知能とは、学校での教育や練習などによって身についた能力と考えられている。流動性知能とは、日常の具体的体験から学習する能力で、未知の刺激に対する適応力や柔軟性が必要とされるものである。

 
 だとすれば、現在巷で言われている「今求められているコミュニケーションの能力」というものの極めて多くが動作性IQに属するスペックではないかと推測されるし、また学校での教育や練習などによって身につきにくいものであることが再確認できると思う。動作性IQが先天的になかなか変わらないものなのか、それとも順応性を求められる環境に漬かることで向上するものなのかは分からないが、少なくとも教室の中で御本を読んでいれば何とかなるものではないように思えてくる。ここら辺を踏まえないで、教室で「今求められているコミュニケーションの能力」とやらをやたらめったら向上させようとがんばっても、良い成果が得られないような気がしてならない。
 
 また同様に、脱オタはじめとする汎用性の高い適応スキル/スペック向上の試みも、言語性IQにみられるような結晶性知能を向上させるようなアプローチだけでは絶対に上手くいかないと考えなければならなそうだ。どこまで先天的なのかは不明にせよ、例えば「脱オタクファッションガイド」を朗読するだけではどうにもならないのは間違いないだろう。プラスαが、必要だ。