シロクマの屑籠

はてなダイアリーから引っ越してきた、はてな村の精神科医のブログです。

キューピッドのマシンガン

 
 異性を物理的心理的に遠ざけることによって、葛藤の外的問題に対応するのは悪くないアイデアだ。「蛮族の侵入」を防ぐ為に固くて難解な防壁を築く能力のある者は、そういった対処法を採用するのが適当と言える。
 
 だからこそ、そこまで防壁が築ける人達が本当に懸念しそうなのは、防壁の「閉ざされた門」を内側から空けようとする内通者だろうと推測している。「異性」がちょっと防壁に矢を放ってきたり、門の前で罵倒したりしても、実害はそれほど無い…耳を塞いだり、奴らに矢を射返せばいいだけだし、それぐらいは優秀な守備隊なら既にやってのけている。だが、例えば「異性」の頭領に惚れ込んでしまった好色で愚かな門番がいたとしたらどうなるか?丹念に築き上げた防御設備も、防御しようという意志を挫かれてしまっては何の役にも立たないだろう。内通者が奴らを招き入れれば後はなすがまま、接近戦に慣れぬ相手を前にして、事態を収拾できなくなるだろう。
 
 電波男的アプローチのように、二次元メイドや二次元妹が心の門番を勤めているならまだいい。だが心の門番のいない人は己自身が門番をやるしかない。防壁建設や、矢の射返しかたについて議論するのも建設的だが、「心の門番への魅了対策」「自分の心の内通者に対する憲兵をどうするか」をもっと突き詰めてもいいような気がする。不特定多数or特定の少数の異性に評価されるか否かや、異性獲得競争における自分の立ち位置がどうであるかを論じるよりも、自分自身が誰かに惚れるかどうかのほうがむしろ優先度の高い問題のような気がするのだが?*1日常、門を固く閉ざしていればいるほど異性への免疫は弱くなるし…つまり門番がイカれた時には徹底的にイカれそうなわけで、強固な防壁を建設せんとする者は、防壁の門番に対する憲兵的アプローチを平行して行うのが好ましい筈だ。
 
 にも関わらず、惚れるか惚れないかの議論は思ったほど盛んじゃなさそうだ。防壁の向こうにいる「蛮族」に矢を射かけたり門を堅く閉ざしたりする方法論は幾らでも見かけるが、門番の内通という、“あなたの内面の問題”をなんで議論の対象にしないのだろう*2?性欲の無い人はそれで構わないだろうけど、(例えば私のように)妙齢の女性の胸が背中に当たると顔が赤くなってしまうような人間は、「門番の内通対策」をこそ心配になるような気がするんですが*3。モテるかモテないかよりも、惚れてしまうのか惚れてしまわないのか、そして惚れてしまった時に自分はいったいどうするのか(例えば何をどこまでその女性の為に捧げることができるのかetc)のほうが、有事にあたってはクリティカルな問題になるんじゃないかな。 え?出会いが無いから大丈夫ですって?そんな人こそ、突然の遭遇が致命傷になるリスクが高いんじゃありませんか。
 
 この問題を置き去りにして大丈夫なのか、他人事ながらが気になるところだ。不特定多数だの社会だので“モテるモテない”なんてくだらない議論よりも、突然稲光が光って目の前の異性に魅了されたらあなたどうすんの?って。もう恋なんてしないなんて思っている日常が、突然のはにかみや匂いでイカれちまったらどうするのか?イカれないようにするにはどうするのか?そこのところどうなのよ?って。私はモテたいとは思わないし、不特定多数に好かれるなんてまさに糞食らえだけど、キューピッドが金のマシンガン(絶対ペニスの形をしてますよこれ)を乱射してくるという恐ろしい事実には、真剣かつ多面的な対策を講じようと今もあがいている。門番を狙ってくるキューピッドは、性質が悪い。
 
 それにしても、恐るべきはキューピッドのマシンガン。幾ら防壁を強く鍛えても、異性のはにかみ・シャンプーのいい匂い・贈り物への期待*4を前にすると、今でも門番が酔っぱらいそうになるんだから恐ろしい。それなりに分別を期待される年齢になって、それなりの経験を踏んできているからこそ門番への憲兵効果が期待できるけど、免疫のない人や門番への憲兵隊を持たない人はマジ死ねるような気がする。全ての防壁を無効化する“惚れる”というアクシデントに、男達はどう対峙するのか。

 

*1:私が惚れやすいからですかそうですか。

*2:勿論、私はこれを一つの心的傾向として記銘し続けるつもりだ

*3:本田さんは、本田さんなりの答えを出そうとしていたから、いいような気がする

*4:例えば弾力のある柔らかい肌への妄想とかいった