シロクマの屑籠

p_shirokuma(熊代亨)のブログです。原稿に追われてブログ記事はちょっと少なめです

執着

「ガチャを回せば自由になれる」

ガチャよくわからん - 「隠居」 こんにちは、隠居さん。ブログ記事を拝見しました。「ガチャよくわからん」というタイトルに沿った内容でしたね。 最初に、私が重要だと感じたキーセンテンスを切り抜きしておきます。 にしても、俺はガチャに限らず、この手…

試される前頭葉──FGO新春ガチャ迎撃戦

2018年、私がいちばんのめり込んでいたゲームは間違いなく『FGO』だった。 この、世界的な売り上げを誇るソーシャルゲームのガチャを回しまくった結果として、2018年の夏イベントでは、★5サーヴァントに目がくらみ、なし崩し的に課金するという、衝動的な行…

一切が過ぎ去っていくインターネットに、念仏を

三十代後半になったあたりから、ときどき「歳月!」と叫びたくなるようになった。 orangestar.hatenadiary.jp delete-all.hatenablog.com 昨日から今日にかけてインターネットの歳月について考えさせられる文章を立て続けに読んで、まさに私は「歳月!」と叫…

ネットde政治闘争がとまらない背景心理

2010年代に入って、インターネットで種々の政治闘争を見かける頻度が激増したように感じる。 2000年代においても、いわゆる「ネトウヨ」は話題になっていて、匿名掲示板ではそういった人々とおぼしき書き込みは目に付いた。また、はてなブックマーク・はてな…

人が集まって、同輩意志を持つということ

昔は忘年会や新年会のたぐいはひたすら嫌悪の対象だったけれども、最近は、幾ばくかでもメンバーシップを感じるようになった。余所の研究会や勉強会でもそういう感覚を覚えることがある。はてなブログ・はてなブックマーク関係のオフ会に関しては言うまでも…

「超自我」は滅びんよ、何度でも甦るさ

フロイトは、自我とイド*1と超自我の三つの概念を用いて精神機能を説明した。「精神分析なんて古い」と考えている人にとって、この精神機能のモデルはいかにも古風に聞こえるだろうし、時代遅れにも感じられるだろう。 わけても、時代遅れに聞こえそうなのが…

あの頃を無かったことにしないためにブログを書く

時代は移ろい、人は昔のことを忘れていく。 目で見る新宿区の100年―写真が語る激動のふるさと一世紀出版社/メーカー: 郷土出版社発売日: 2015/09/01メディア: 単行本この商品を含むブログを見る この写真は『目で見る新宿区の100年─写真が語る激動のふるさと…

本物の自己実現欲求の人に出会うと、真似たいとは思えなくなる

認められたい作者: 熊代亨出版社/メーカー: ヴィレッジブックス発売日: 2017/02/28メディア: 単行本(ソフトカバー)この商品を含むブログ (2件) を見る「認められたい」の正体 ― 承認不安の時代 (講談社現代新書)作者: 山竹伸二出版社/メーカー: 講談社発売…

『ふろむだ本』は現代の魔術書だ。だから使う側には力量が求められる

人生は、運よりも実力よりも「勘違いさせる力」で決まっている作者: ふろむだ出版社/メーカー: ダイヤモンド社発売日: 2018/08/09メディア: Kindle版この商品を含むブログ (1件) を見る 最近、ふろむださんの書籍が早くも四刷を迎えたと知った。このこと自体…

「自分に刺さるコンテンツ」がなくなったっていいじゃないか

https://anond.hatelabo.jp/20180829224019anond.hatelabo.jp b.hatena.ne.jp ※このブログ記事を書いて数時間後、ブログ記事本体が削除されたのではてなブックマーク上の反応を追加しました。 2018年は季節の移り変わりのテンポが早くて、もう、朝夕はめっき…

「ガチャは悪い文明」だとやっとわかった

界隈では「ソーシャルゲームはガチャで派手に儲けている」と耳にするし、それは事実らしい。しかし、私はお金のあまりかからない部類のソーシャルゲームを、あまりお金のかからない遊び方で遊んでいたので、「射幸性」だの「依存性」だのと言われてもイマイ…

なし崩しの人生を恥じる必要はない

www.pasonacareer.jp リンク先では「キャリアなんて後から勝手にできあがってくるものだから、やりたい仕事がわからなくてもいいじゃない」的なことを書きましたが、ここは私のブログなので、もうちょっと私自身のことを書いてみます。 リンク先でも書いたと…

高齢者のネット承認欲求のこれから

ネットを回遊していたら、ちょっと気になる記事を見かけて手が止まった。 インターネットによって誘発される山岳遭難の事例 No.1 - 遭難.net インターネットによって誘発される山岳遭難の事例 No.2 - 遭難.net 上記リンク先の記事では、還暦前後の登山ファン…

前向きに年を取る限り、人生の「全盛期」は一度きりではない

gendai.ismedia.jp リンク先の文章を読んだ時のファーストインプレッションは、「カリスマ女子高生って、楽しそうだな」というものだった。 渋谷の女子高生として「全盛期」を過ごすのは素晴らしい体験だろう。男性はもちろん、女性でもそういう風に十代を過…

効率性のせいで、ソシャゲがなかなかやめられない

私はゲーム愛好家としてずっと生きて中年になったから、人生の残り時間もゲームに費やすつもりでいる。私の人生・アイデンティティにとって、ゲームは不可欠な一部分だから、年を取ろうとも付き合い続けていくだろう。 とはいえ、世の中には遊びきれないほど…

これからの消費アイデンティティ

blogos.com リンク先は、『「若者」をやめて、「大人」を始める 「成熟困難時代」をどう生きるか?』にかこつけてBLOGOSさんにインタビューしていただいた記事です。これからの時代の「大人」について、私の考えを述べてみました。 インタビュー記事の常とし…

エヴァやガンダムの昔話で盛り上がる中年の心理

anond.hatelabo.jp 数日前、はてな匿名ダイアリーに上のような文章がアップロードされたところ、はてなブックマークには沢山のはてなユーザーが集まり、昔話に花が咲きました。楽しそうですね。 その少し前、ガンダムがいつからブームになっていたのかを問う…

「何者にもなれない」の正体と、中年期以降の約束事について

fujipon.hatenablog.com リンク先のブログ記事をtwitterに流したら、 自分のような中途半端になってしまった人にもぜひ言及して頂きたいです。— zom a.k.a 呉羽漣 (@zomzom1974) 2018年2月20日 zomzom1974さんから「自分のような中途半端になってしまった人…

YouTubeはくだらないから子どもを虜にする。そして親は不安になる

子供がYouTubeを見すぎている - カリントボンボン リンク先のブログ記事は、子どもがYouTubeを見過ぎていることへの不安を率直に綴ったものだ。 YouTubeの泡沫コンテンツのいい加減さと、動画から感じられる虚無感を過不足のない言葉でまとめていて、それで…

人生の次の目標はゾンビキラーだ。

ドラゴンクエストIII そして伝説へ…出版社/メーカー: SQUARE ENIX CO., LTD.発売日: 2016/12/06メディア: アプリこの商品を含むブログを見る 数年前、以下のような文章をブログで読んだのを再発見して、またしても考えさせられた。 人生は、『はがねのつるぎ…

現代社会には、イライラした人間の居場所が無いとわかった

ここ一週間ほど、ずっとイライラとしていて情緒が安定していなかった。そうなってみて、改めて自分と自分を取り巻く環境への影響を考えてみたら【イライラしているおじさんやおばさんがいて構わない場所は現代社会には存在しない】ということに気づいたので…

マミさんには解脱や涅槃は似合わない。菩薩行がよく似合う

anond.hatelabo.jp 『魔法少女まどか☆マギカ』の巴マミさんにかこつけて、初期仏教の素晴らしさを説く記事を見かけました。 なるほど、初期仏教が良いことに異存はありません。 しかし、大乗仏教を信奉し、マミさんの魅力もまた大乗仏教的だと感じる私として…

悲しさを忘れるために何かに没頭することの是非

悲しいことがあった時、悲しさから逃れるため・心の空白を埋め合わせるために、何かに没頭する人は少なくない。 悲しいことがあった時こそ休まず出勤する、それどころか、いつもより長く仕事をする人がいる。あるいは、いつもより長くランニングする人、いつ…

“承認ミニマリスト”というライフスタイル

togetter.com リンク先のtwitterまとめでは、「ミニマリストは、流通や情報の発達したテクノロジーに乗っかったライフスタイルで、脱-経済成長や脱-テクノロジー的なものではない」という佐々木俊尚さんのツイートに賛同の声が集まっている。 対して、はてな…

萌えアニメを観て(*´Д`)している人間は電灯に集まる昆虫に似ている

さいきんの変換ソフトは、「ハアハア」って打つと(*´Д`)って顔を打ち出してくれるんですね。いや、だいぶ前からか。 それはともかく、自嘲を込めつつ振り返るに、美少女や美少年がたくさん出てくるアニメを観て大喜びしている私達、あるいはキャラクターな…

戦略的に知名度を稼いでいるアカウントも、自分の承認欲求を無視してはいけない

若いの、そこは私達が十年以上前に通った道だ - シロクマの屑籠 では、君が失敗したら思いっきり笑ってさしあげようぞ。 - シロクマの屑籠 去年、インターネットでたくさんの人から注目を浴びてキラキラしようとしていた二十代の皆さん、お元気ですかー? 上…

みんなで“おみこし”を担ぐ社会、再び

今日の文章は、いつも以上にフワッとした話なので、そういうつもりで読んで欲しい。 先日、講談社ビジネスに以下の文章を寄稿した。 gendai.ismedia.jp 同じ構図が、たとえば映画『シン・ゴジラ』や大河ドラマ『真田丸』などにも当てはまります。いまや、SNS…

俺はおじさんだが、思春期心性を腹の中に飼っているぞ

orangestar.hatenadiary.jp 読みました。中年期危機は、病名ではなく状態、またはひとつのパターンを指す語彙で、「五月病」「引きこもり」などに近いカテゴリと考えます。だから、中年期危機がうつ病に該当することもあれば、該当しないこともあります。精…

「ここで認められないと詰む」は詰む

新年度が始まって1カ月。 新環境は、社会のなかの“ふるい”のようなもので、新環境になじんで適応できるか否かを試しているようなふしがある。学校や職場がコロコロと変わる現代社会では、「新環境になじんで適応する」という課題は、まず避けてとおれない。…

「子どもに意味を背負わせてしまう」対「意味は子どもが自分で見つけるもの」

zuisho.hatenadiary.jp ズイショさん、こんにちは。文章拝見しました。 「子は意味もなく生まれるし、人は、意味にとらわれず生きたっていい」「他人に宿命づけられてたまるか」「世界にいる意味は、自分自身で見つけりゃいい」といった主旨だと、ここでは捉…