ややこしいゲームを遊ぶ時や、新しいゲームを購入する目星をつける際に役立つのが、「攻略wiki」。そのゲームをはじめるにあたっての注意点やおおまかなシステムの把握、キャラクターデータや主な攻略指針など、調べたいことがだいたい載っていて、2000年代の前半から重宝してきました。
でも最近は、あまり攻略wikiっぽくないけれどもwikiを名乗っているブログみたいなものを見かけることが増えました。
私が馴染んできた攻略wiki
私がお世話になってきた、いや、今でも時々お世話になる攻略wikiっていうと、こんな感じです。
Civ3wiki - トップページ
艦隊これくしょん -艦これ- 攻略 Wiki*
トップページ - Xbox360/PlayStation3「The Elder Scrolls V:SKYRIM」日本語版wiki - アットウィキ
これらの攻略wikiは、
・基本、営利を目的としておらず、
・ゲームに関心のある有志が何人も集まって作成していて、
・情報の通覧性が高く、必要な情報にたどり着きやすい
・スマホで見るよりもPC向きのつくり。ときにはスマホに対応していないことも
といった特徴を持っていました。ただ読むだけでなく参加するものでもあり、私自身もwikiの編集にかかわったことがありました。
従来の攻略wikiとは違ったタイプの「自称攻略wiki」
ところがここ数年、それまでの攻略wikiとは雰囲気の違う、しかしwikiを名乗っているブログみたいなサイトに出くわすことが増えました。
pokemongo.gamewith.jp
wiki.denfaminicogamer.jp
game8.jp
これらの新しい「攻略wiki」は、
・おそらく営利を目的としているらしい、たくさんの広告
・運営者が複数なのか個人なのか企業なのか、はっきりしない
・情報の通覧性よりも、新情報やトピックスを優先的に表示する
・スマホで見ることに特化している。PCでの通覧性は二の次っぽい
といった特徴を有しています。いわゆる「コメント欄」にはプレイヤーの意見がいろいろ書かれてはいるものの、記事の筆致や構成には統一感があるため、運営者は一人か二人ぐらいとおぼしき雰囲気がみられます。このこともあってか、「みんなでつくったゲーム攻略wiki」という雰囲気より「個人が営利のために立ち上げた攻略サイト」といった趣があります。また、
・ひとつのゲームに複数の攻略wikiが存在していて
・書いてあることがそれぞれの攻略wikiで違っていることも多く、
・結果として、ひとつの攻略wikiだけでは不十分
といった感想を持たざるを得ないこともよくあります。攻略wikiを名乗るからには、一か所を通覧すればだいたいのことが把握できるようであって欲しいのですが、たとえば『スプラトゥーン2』に林立している自称攻略wikiなどは、一つだけではまったく足りない感じです。
いまどきの「自称攻略wiki」は、いまどきの「ゲーム攻略サイト」
そうやって考えると、今、「攻略wiki」を名乗っている諸々は、00年代の攻略wikiよりも、むしろ00年代までは存在していた、個人の「ゲーム攻略サイト」に近い性格なのかもしれません。ただし、どこへ行っても似たようなフォーマットで書かれている点や、スマホでページをめくるたびに広告に追い回される点は、過去の個人サイトとは違っていますが。
かつて、インターネットには「集合知」という考え方があって、wikipediaはもちろん、それぞれのゲームについての攻略wikiにもそういった趣があったように思います。
しかし、今日のインターネットで「集合知」という言葉や思想を見聞きすることは少なくなり、個人で広告収入が稼げる時代にもなったので、みんなで情報を出し合って攻略wikiをつくる、というネット習俗じたいが衰退しているのでしょう。
もちろん、外国ゲームの翻訳などの領域では今でも「集合知」としか言いようのない活動は息づいていますし、こちらの『アズールレーンwiki』のように、昔の雰囲気っぽい攻略wikiが盛り返して検索順位でもトップを奪還することもあるんですけどね。
新旧両方のタイプの「攻略wiki」を行き来しながら時代の流れを感じる、ゲームおじさんの感想でした。